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オーダースーツの裏地選びは、スーツの印象や着心地を左右する重要な要素です。キュプラ・シルク・ポリエステルの特徴や、ビジネス・カジュアルに適した色・柄の組み合わせを詳しく解説します。あなたにぴったりの裏地を選び、スーツの魅力を最大限に引き出しましょう。
オーダースーツの裏地とは?役割と重要性

オーダースーツを仕立てる際、裏地は表地と同じくらい重要な要素です。着心地や通気性、耐久性、見た目に大きく影響を与えます。適切な裏地を選ぶことで、スーツの機能性が向上し、着る人の快適さが格段に違ってきます。また、オーダースーツならではの自由な選択肢を活かし、個性を表現する役割も担っています。
裏地の基本機能と目的
スーツの裏地には、主に次の3つの役割があります。
① 着脱のしやすさを向上させる
表地だけでは滑りが悪く、スーツの着脱がスムーズにいかないことがあります。特にウール素材のスーツは摩擦が生じやすいため、裏地をつけることでスムーズに袖を通すことができます。
② 汗や汚れから表地を守る
スーツを着ると、体から出る汗や皮脂が表地に直接触れることになります。裏地があることで、それらの汚れが直接表地に付着するのを防ぎ、スーツの寿命を延ばします。特に、長時間スーツを着るビジネスパーソンにとって、清潔感を保つ上で重要なポイントです。
③ スーツのシルエットを美しく保つ
裏地があることでスーツの形が崩れにくくなり、特にジャケットの肩や背中部分のフィット感が向上します。また、動いたときのシワが軽減され、長時間の着用でも見た目を維持しやすくなります。
裏地による着心地や見た目への影響
裏地は、スーツの「内側の快適さ」と「外側の印象」に影響を与えます。選び方次第で、年間を通じて快適に着られるスーツを作ることが可能です。
① 季節ごとの快適さ
裏地の素材や仕様は、季節に合わせて選ぶことが大切です。
- 春・夏向け: 通気性が良く、さらっとした着心地のキュプラ裏地や、通気性を確保するための背抜き仕様が適しています。
- 秋・冬向け: 防寒性を高めるために総裏仕立てを選ぶと、暖かさが確保できます。また、厚みのある表地と組み合わせることで、より防寒性が増します。
② 動きやすさの向上
裏地には伸縮性がある素材もあり、肩回りや肘部分に適したものを選ぶことで、動きやすさが向上します。特に、アクティブに動く仕事をしている人には、ストレッチ性のある裏地が適しています。
③ スーツの個性を引き出すデザイン要素
オーダースーツでは、裏地の色や柄を自由に選べるのが魅力の一つです。シンプルなスーツの表地に対して、個性的な裏地を選ぶことで、脱いだときに自分らしさを演出できます。
スーツの裏地は、見えない部分ながらも重要な役割を果たしています。適切な裏地を選ぶことで、着心地や耐久性、さらにはファッション性まで大きく向上します。オーダースーツならではの選択肢を活かし、自分に最適な裏地を見つけることが、スーツを長く愛用するためのポイントです。
裏地の種類と特徴

スーツの裏地にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリットがあります。裏地の素材によって着心地や通気性が変わり、スーツの耐久性にも影響を与えます。また、仕立て方法にも違いがあり、「総裏」「背抜き」「半裏」などの仕様が存在します。ここでは、裏地の代表的な素材と仕立て方法の違いについて詳しく説明します。
主要な裏地素材の種類
スーツの裏地には、主にキュプラ、ポリエステル、シルクの3種類が使用されます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った素材を選ぶことが重要です。
キュプラ(ベンベルグ)の特徴と利点
キュプラは、綿花の種子の周りにある短い繊維を原料とする再生繊維です。日本では「ベンベルグ」というブランド名でも知られています。キュプラの特徴をまとめました。
- 吸湿性と放湿性に優れている → 蒸れにくく、快適な着心地を提供
- なめらかな肌触り → シルクのような光沢感とソフトな質感
- 静電気が起こりにくい → 冬場の着脱でもまとわりつきにくい
- 高級スーツの裏地として使用される → 仕立ての良いスーツでは標準的に採用
キュプラは、ビジネススーツやフォーマルウェアに最適な裏地素材といえます。ただし、水に弱いため、クリーニング時の取り扱いには注意が必要です。

キュプラは高級感があり快適ですが、薄すぎると摩耗しやすいので、目付(生地の厚さ)を確認すると◎。頻繁に着るビジネススーツなら、やや厚手のキュプラを選ぶと長持ちします。
ポリエステル裏地のメリット・デメリット
ポリエステルは化学繊維で、耐久性とコストパフォーマンスに優れた素材です。リーズナブルな価格帯のスーツに多く使用されています。
メリット
- シワになりにくい → 長時間座っても裏地のヨレが少ない
- 耐久性が高く、摩耗しにくい → 長期間着用しても傷みにくい
- 水に強く、洗濯しやすい → 自宅での手入れが比較的容易
デメリット
- 通気性が悪く、蒸れやすい → 夏場は暑さを感じやすい
- 静電気が発生しやすい → 乾燥した時期にパチパチとした刺激を感じることがある
ポリエステルはコストを抑えたい人や、日常的にスーツを着る機会が多く、耐久性を重視したい人に向いています。
シルク裏地の魅力と注意点
シルクは、光沢感があり、高級感を演出できる裏地素材です。高級スーツやオーダーメイドスーツに使われることが多く、滑らかな肌触りが特徴です。
メリット
- 高級感のある光沢と質感 → エレガントな仕上がり
- 軽量でしなやか → 着心地がよく、動きやすい
- 優れた吸湿性 → 快適な温度と湿度を保つ
デメリット
- デリケートで摩擦に弱い → 劣化しやすく、耐久性が低い
- 価格が高い → 一般的な裏地素材よりもコストがかかる
シルクの裏地は、特別な一着としてオーダースーツを仕立てる際や、フォーマルな場面で着用するスーツにおすすめです。



シルクの裏地は肌触りが抜群ですが、摩擦に弱く、クリーニングも慎重に。特別な一着や勝負スーツならOKですが、デイリーユースには向きません。
背抜き・総裏・半裏の違いと選び方
裏地の仕立てには、大きく分けて「総裏」「背抜き」「半裏」の3種類があります。これらは、季節や着用シーンに応じて選ぶのがポイントです。
仕様 | 特徴 | 適した季節 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
総裏 | 全面に裏地がついている | 秋冬向け | 防寒性が高く、シルエットが美しく保てる | 夏場は暑く感じる |
背抜き | 背中部分の裏地を省略 | 春夏向け | 通気性が良く、涼しい | 防寒性が低く、型崩れしやすい |
半裏 | 裏地が一部のみ付属 | オールシーズン向け | 柔軟な着心地で、動きやすい | 仕立てによっては耐久性が低くなる |
総裏(フルライニング)
スーツ全体に裏地を施した仕立てで、最も一般的な仕様です。特に秋冬用のスーツに適しており、防寒性が高く、スーツの形を美しく保つ役割を果たします。高級スーツやフォーマルスーツでは、この仕立てが標準的です。
背抜き(パーシャルライニング)
背中の裏地を省略し、通気性を重視した仕立てです。夏のスーツや、海外ブランドのスーツではこの仕様が多く採用されています。特に日本の湿度の高い夏場では、涼しさを保つために背抜きを選ぶ人が増えています。
半裏(ハーフライニング)
背中の一部や肩回りにのみ裏地を施した仕様で、総裏と背抜きの中間に位置します。オールシーズン着用でき、動きやすさとシルエットのバランスが取れた仕立てです。ビジネススーツからカジュアルなジャケットまで幅広く採用されています。
裏地の素材や仕立てを選ぶことは、スーツの快適さや耐久性、見た目に大きく影響します。キュプラは高級感と通気性を兼ね備えたバランスの良い選択肢で、ポリエステルは耐久性とコスト面で優れ、シルクは特別な一着に適しています。また、季節や用途に応じて総裏・背抜き・半裏を選ぶことで、快適な着心地を実現できます。自分のスタイルや使用シーンを考慮し、最適な裏地を選びましょう。
裏地の色・柄の選び方とコーディネート術


スーツの裏地は、表地とのバランスを考えながら選ぶことで、見た目の美しさや個性を引き出す重要な要素になります。ビジネスシーンでは控えめな色合いが好まれる一方、カジュアルやフォーマルな場では、華やかで個性的な裏地が選ばれることもあります。裏地の色や柄の選び方を工夫することで、スーツ全体の印象をワンランクアップさせることができます。
表地との組み合わせを考えるポイント
スーツの表地に合わせた裏地の選び方には、いくつかの基本ルールがあります。主に「同系色でまとめる」「コントラストをつける」「個性を演出する」の3つのアプローチが考えられます。
- 同系色でまとめる → 上品で統一感のある仕上がりに
- コントラストをつける → 遊び心を加え、個性を表現
- 個性的なデザインを選ぶ → スーツを脱いだときに目を引く印象に
それでは、代表的なスーツの色ごとに適した裏地の選び方を見ていきましょう。
ネイビー・ブルースーツの裏地選び
ネイビー系のスーツはビジネスシーンで最も人気があり、幅広い場面で活用できます。そのため、裏地の選び方次第で印象が大きく変わります。
裏地の色 | 印象 | 適したシーン |
---|---|---|
ネイビー系 | 落ち着いた統一感 | ビジネス、フォーマル |
ボルドー・ワインレッド | 上品で洗練された雰囲気 | 高級感を演出したい場面 |
グレー・シルバー | 知的でスマートな印象 | 商談や会議の場 |
ペイズリー柄(ブルー系) | 個性をさりげなく表現 | カジュアルなビジネススタイル |
ネイビースーツは、裏地の選択肢が広いため、TPOに応じた選び方が求められます。
チャコールグレースーツに合う裏地の色
チャコールグレーのスーツは、ネイビーに次ぐ人気のあるカラーで、落ち着いた雰囲気が魅力です。裏地選びでは、品の良さを保ちつつ、さりげなく個性を加えることがポイントになります。
裏地の色 | 印象 | 適したシーン |
---|---|---|
ワインレッド | シックでエレガント | 高級感のあるビジネスシーン |
ブルー・ネイビー | クールで知的な印象 | 会議や面接などのフォーマルな場 |
グレー(明るめ) | シンプルで洗練された印象 | 汎用性が高く、どんな場面にも適用 |
ストライプ柄 | 遊び心を加えたスタイル | カジュアルなビジネスシーン |
チャコールグレーのスーツは、暗すぎると重い印象になるため、明るめの裏地や柄物を選ぶのも一つの方法です。



黒やダークグリーンを選ぶなら、マットすぎると重たくなりがち。微光沢のある素材を選ぶと、陰影がついて奥行きのある印象に仕上がります。
グレースーツと相性の良い裏地
グレースーツは、シャープで都会的な印象を与えるカラーです。明るめのライトグレーからダークグレーまで幅広いトーンがあるため、裏地選びもスーツの濃淡に合わせることが重要です。
スーツのトーン | 裏地のおすすめカラー |
---|---|
ライトグレー | ネイビー、シルバー、淡いブルー |
ミディアムグレー | ワインレッド、ボルドー、ダークグリーン |
ダークグレー | ブルー、パープル、ストライプ柄 |
ライトグレーにはクールな印象のブルー系、ダークグレーにはエレガントなワインレッドがよく合います。
柄の選択とその印象
裏地の柄は、個性を出す重要なポイントです。無地はシンプルで汎用性が高く、ペイズリーやストライプ柄は遊び心を加えたデザインとして人気があります。
無地とその汎用性
無地の裏地は、フォーマルな場面に適した選択肢です。特に、クラシックなスーツには無地の裏地が好まれます。
無地裏地のメリット
- シンプルで上品な印象
- ビジネスやフォーマルな場に適している
- スーツの表地との相性を選ばない
無地の中でも光沢のある素材を選ぶと、高級感が増し、より洗練された仕上がりになります。
ペイズリー・ストライプなどの個性的なデザイン
柄物の裏地は、スーツを脱いだときに個性を演出できる魅力があります。特に、ペイズリーやストライプ柄は、スタイリッシュな印象を与えるため、こだわりのある人におすすめです。
柄の種類 | 印象 | 適したスーツ |
---|---|---|
ペイズリー柄 | エレガントで遊び心がある | フォーマルやカジュアルスーツ |
ストライプ柄 | シャープで都会的 | ビジネススーツ |
ドット柄 | さりげないおしゃれ感 | セミフォーマルスーツ |
ペイズリー柄はクラシックで華やか、ストライプはクールで知的な印象を与えます。



大胆な柄よりも、ペイズリーやヘリンボーンのような細かい模様のほうが、スーツ全体のバランスを崩さず、さりげない個性を演出できます!
裏地の色や柄は、スーツの印象を大きく左右する重要な要素です。ネイビーやグレーのスーツには、ワインレッドやシルバーがよく合い、柄物を選ぶことで個性を表現することも可能です。ビジネスシーンでは無地の落ち着いた色、カジュアルやフォーマルでは柄物やコントラストのある裏地を選ぶことで、スーツスタイルに深みが出ます。
シーン別・季節別の裏地の選び方


スーツの裏地は、着用するシーンや季節によって適切なものを選ぶことが重要です。フォーマルな場ではシンプルで上品な裏地が求められ、ビジネスシーンでは機能性が重視されます。また、夏と冬では快適さを考慮した裏地の選び方が変わります。さらに、日本と海外ではスーツの仕立てに違いがあり、特に背抜き仕様に関して異なる考え方があるため、その点も理解しておくと便利です。
フォーマル・ビジネス・カジュアルでの選択基準
スーツを着る場面によって、適した裏地の種類や色が変わります。それぞれのシーンに合う裏地を選ぶことで、スーツ全体の印象が洗練されたものになります。
フォーマル(礼服・結婚式・パーティー)
フォーマルスーツでは、上品で落ち着いた裏地が求められます。光沢のあるシルクやキュプラ素材がよく使われ、高級感を演出するために黒やダークネイビー、シルバーなどのシンプルなカラーが選ばれることが多いです。
シーン | 適した裏地の特徴 | 推奨カラー |
---|---|---|
結婚式 | 光沢のあるキュプラやシルク | シルバー、ダークネイビー |
礼服 | シンプルな無地の裏地 | 黒、濃紺 |
パーティー | 個性的な柄物もOK | ボルドー、ペイズリー柄 |
ビジネス(仕事・商談・会議)
ビジネススーツでは、裏地の耐久性や通気性が重要になります。長時間着用するため、キュプラのように汗を吸収しやすい素材が適しています。色は表地と調和する落ち着いたカラーが無難ですが、個性を出すならボルドーや深いグリーンも選択肢に入ります。
シーン | 適した裏地の特徴 | 推奨カラー |
---|---|---|
商談 | 知的で落ち着いた印象 | ネイビー、グレー |
会議 | 信頼感を与える色合い | シルバー、ブラック |
外回りの営業 | 通気性の良いキュプラ | ブルー、ダークグリーン |
カジュアル(オフスタイル・遊び用)
カジュアルスーツやジャケットでは、裏地のデザインで遊ぶことができます。ペイズリーやストライプ柄、派手な色使いの裏地も好まれます。特に、裏地が表地の差し色になるような組み合わせを選ぶと、おしゃれな印象を演出できます。
シーン | 適した裏地の特徴 | 推奨カラー |
---|---|---|
カジュアルジャケット | 遊び心のある柄や色 | レッド、チェック柄 |
休日のスーツ | 目を引く裏地で個性を出す | ワインレッド、ゴールド |
パーティーカジュアル | 派手すぎないが印象的なデザイン | ペイズリー、ストライプ |



カジュアルは遊び心OK!ただしやりすぎるとチープに見えるのでバランスが大事ですよ。
季節ごとの適した裏地(夏は背抜き、冬は総裏など)
季節ごとに適した裏地の選び方も重要です。特に日本は四季の変化が大きいため、快適に過ごせるスーツを選ぶことが大切です。
春・夏の裏地選び(通気性と快適性を重視)
夏場のスーツは、できるだけ涼しく快適に着られることが求められます。そのため、「背抜き仕様」にし、通気性の良いキュプラ裏地を選ぶのが基本です。
- 背抜き仕立て → 背中部分の裏地を省略し、風通しを良くする
- キュプラ素材の裏地 → 吸湿・放湿性が高く、汗をかいても快適
- 明るめの色を選ぶ → 白やベージュなど、熱を吸収しにくい色が理想
秋・冬の裏地選び(防寒性と高級感を意識)
寒い季節は、防寒性を重視した裏地が求められます。「総裏仕様」にし、暖かさを確保するのが基本です。
- 総裏仕立て → 裏地が全体に施されているため、保温性が高い
- 厚手のキュプラやウール混合裏地 → 冷気を防ぎ、快適な着心地を提供
- 暗めの色を選ぶ → ワインレッドやダークネイビーで高級感を演出
海外のスーツと日本のスーツの違い(背抜き仕様の違い)
スーツの仕立ては国によって異なり、特に裏地の仕様には大きな違いがあります。
海外スーツの特徴(特に欧米)
- 総裏仕様が基本 → 気温の変化が少ない地域では、しっかりした仕立てが好まれる
- 厚手の裏地を使用 → スーツのシルエットを保つため、耐久性のある裏地を採用
- 裏地のデザインが大胆 → カラーや柄に遊び心を加えた裏地が多い
日本のスーツの特徴
- 背抜き仕様が一般的 → 湿度が高いため、通気性を確保するために背抜きが多用される
- 軽量な裏地を採用 → 長時間着用しても快適に過ごせるように工夫されている
- シンプルな裏地が好まれる → ビジネスシーンに合わせた落ち着いたデザインが主流
スーツの裏地は、着用するシーンや季節に応じて最適なものを選ぶことが大切です。フォーマルではシンプルで上品な裏地、ビジネスでは耐久性と通気性を重視した裏地、カジュアルでは個性的なデザインを選ぶと、それぞれのシーンに合ったスタイルが完成します。また、日本と海外のスーツでは裏地の考え方が異なるため、用途に応じて適切な仕様を選びましょう。
人気ブランドの裏地デザインをチェック


スーツの裏地は、ブランドごとに個性があり、そのデザインを見ることでブランドの特徴を知ることができます。特に高級ブランドのスーツは、裏地にこだわりを持っており、素材や色、柄にブランドらしさが表れます。ここでは、ポールスミスの裏地デザインや、海外と国内ブランドの違い、ブランドスーツを参考にした裏地選びのポイントを紹介します。
ポールスミスの裏地デザインと個性
ポールスミスは、イギリスを代表するファッションブランドで、スーツの裏地にも独自のセンスが光ります。伝統的なテーラリング技術を持ちながら、遊び心のあるデザインを加えるのが特徴です。
ポールスミスの裏地デザインの特徴
- カラフルなストライプ → ブランドの象徴である「マルチストライプ」が裏地に使用されることが多い
- ユニークな柄物 → 動物モチーフ、アート風のデザインなど、個性的な裏地が多い
- 表地とのコントラスト → クラシックなスーツの表地に対して、裏地で意外性を演出
ポールスミスの裏地が好まれる理由
ポールスミスの裏地は、ビジネスシーンでも使いやすい一方で、スーツを脱いだときに「個性」をアピールできるデザインになっています。スーツを着る楽しさを感じさせるため、ファッションを意識する人に人気があります。
海外ブランド vs 国内ブランドの裏地の傾向
スーツの裏地に対する考え方は、海外ブランドと国内ブランドで違いがあります。特に、欧米ブランドと日本ブランドでは、デザインの方向性が異なります。
海外ブランドの裏地の特徴
- デザイン性が強い → カラフルな色使いや、大胆な柄物が多い
- 遊び心がある → クラシックなスーツでも、裏地で個性を出す傾向
- シルクやキュプラを使用 → 高級感を出すため、肌触りの良い素材が主流
代表的な海外ブランドの裏地デザインとして、以下のようなものがあります。
ブランド | 裏地の特徴 |
---|---|
ポールスミス | マルチストライプ、アート柄 |
エルメネジルド・ゼニア | シンプルな無地、高級感のある光沢 |
ダンヒル | クラシカルなペイズリー柄 |



ゼニアは、イタリアを代表する高級スーツブランドで、その裏地も上質で洗練されたデザインが特徴です。ゼニアの裏地は、遊び心のある派手なデザインというよりも、「シンプルかつエレガント」な方向性が強いので、大人のスーツスタイルを完成させたい人におすすめです。
国内ブランドの裏地の特徴
- 控えめなデザインが主流 → ビジネスシーンに適した落ち着いたカラーが多い
- 機能性を重視 → 通気性や耐久性に優れた裏地が選ばれる
- 表地との調和を意識 → 違和感のないカラーリングが主流
代表的な国内ブランドの裏地デザインの特徴は以下の通りです。
ブランド | 裏地の特徴 |
---|---|
五大陸 | シンプルな無地、控えめな柄 |
スーツカンパニー | ビジネス向けのストライプやドット |
銀座グローバルスタイル | 豊富な裏地オプション |
ブランドスーツの裏地を参考にした選び方
ブランドスーツの裏地を参考に、自分のスーツの裏地を選ぶ際のポイントを押さえておくと、より満足のいく仕上がりになります。
ブランドスーツの裏地を選ぶ際のポイント
- 個性を出したい場合 → ポールスミスのようなカラフルなデザインを選ぶ
- 高級感を求める場合 → ゼニアのようなシルクやキュプラ素材を採用
- ビジネスで無難にまとめる場合 → 国内ブランドの落ち着いたカラーを参考にする
オーダースーツで裏地を選ぶ際のアプローチ
- フォーマル向け → シルクやキュプラの光沢感のある裏地(ブラック・ネイビー)
- ビジネス向け → キュプラやポリエステルでシンプルなデザイン(グレー・ブルー)
- カジュアル向け → 柄物や明るめの裏地で個性を演出(ボルドー・ペイズリー柄)
ブランドごとに裏地のデザインには特徴があり、ポールスミスのように個性的なものから、ゼニアのように高級感のあるものまでさまざまです。海外ブランドは遊び心のあるデザインが多く、国内ブランドは機能性と落ち着きを重視する傾向があります。オーダースーツの裏地を選ぶ際には、ブランドスーツを参考にしながら、自分のスタイルや用途に合った裏地を選ぶことで、より満足度の高い仕上がりになります。
裏地と小物のコーディネート術


スーツの裏地は、目立たない部分ではありますが、コーディネート全体のバランスを考えるうえで重要な要素のひとつです。ネクタイやシャツとの組み合わせによって、より洗練された印象を作り出すことができます。スーツを脱いだときに見える裏地が、ネクタイやシャツと調和していると、細部まで計算されたおしゃれなスタイルが完成します。ここでは、裏地とネクタイ・シャツのバランス、そしてグレースーツに似合うコーディネートについて紹介します。
裏地とネクタイ・シャツのバランス
スーツスタイルを完成させるためには、表地だけでなく裏地との相性も考慮することが大切です。ネクタイやシャツとの組み合わせ次第で、フォーマルな印象を強めたり、遊び心を演出したりすることができます。
基本のバランスの考え方
- 統一感を重視 → 表地・裏地・ネクタイの色を近いトーンでまとめる
- アクセントを加える → 裏地の色を差し色にして個性を出す
- ビジネスとカジュアルの違いを意識 → ビジネスでは落ち着いた色合い、カジュアルでは遊び心のある配色
スーツ・ネクタイ・裏地の相性表
スーツの色 | ネクタイの色 | 裏地のおすすめカラー | 印象 |
---|---|---|---|
ネイビー | ボルドー | ワインレッド | 上品でエレガント |
グレー | ネイビー | シルバー | 知的でスマート |
ブラック | ダークグリーン | ゴールド | クラシックで洗練された印象 |
ブラウン | ベージュ | オリーブグリーン | 落ち着いたナチュラルな雰囲気 |
具体的なコーディネート例
例えば、ダークネイビーのスーツにボルドーのネクタイを合わせる場合、裏地もワインレッド系にすると統一感が生まれます。一方で、シンプルなブラックスーツにゴールドの裏地を加えると、脱いだときに華やかさを演出することができます。


ネクタイと裏地の関係は、主に「補色関係」や「グラデーション効果」を活かすと、おしゃれにまとまります。たとえば、青系のスーツには青みがかったグレーやネイビーの裏地を選ぶと統一感が生まれますが、逆にオレンジ系の裏地を選ぶとコントラストが際立ち、遊び心のあるスタイルになります。
グレースーツに似合うネクタイと裏地の組み合わせ
グレースーツはビジネスからフォーマルまで幅広く使える万能な色ですが、ネクタイや裏地の選び方次第で大きく印象が変わります。
グレースーツと相性の良いネクタイの色
- ネイビー → 知的で誠実な印象を与える
- ボルドー → 洗練されたエレガントな雰囲気に
- シルバー → クールで都会的な印象
グレースーツと裏地の組み合わせ
グレースーツのトーン | 裏地のおすすめカラー | ネクタイの色 |
---|---|---|
ライトグレー | ネイビー、シルバー | ボルドー、ブルー |
ミディアムグレー | ワインレッド、ダークグリーン | ネイビー、ダークレッド |
ダークグレー | パープル、ブラック | シルバー、ゴールド |
コーディネートの実例
たとえば、ライトグレーのスーツにはシルバーの裏地とブルーのネクタイを合わせると、洗練されたビジネススタイルになります。一方で、ダークグレーのスーツにパープルの裏地とシルバーのネクタイを合わせると、クラシカルで高級感のある印象を演出できます。


裏地の色とネクタイの色が絶妙に調和していると、スーツを脱いだときにもセンスの良さが際立ちます。特に、裏地に少し光沢のある素材を選ぶと、高級感をプラスすることができます。
スーツの裏地は、ネクタイやシャツとのバランスを考えて選ぶことで、より統一感のある洗練されたスタイルを作り出すことができます。特にグレースーツは、ネクタイや裏地の組み合わせ次第でさまざまな印象を与えることができるため、TPOに応じた選び方を心がけましょう。
裏地選びで失敗しないための注意点


オーダースーツの裏地選びは、見た目の印象を大きく左右するだけでなく、着心地や耐久性にも関わる重要な要素です。しかし、適当に選んでしまうと「派手すぎてビジネスシーンに合わない」「すぐに劣化してしまった」「通気性が悪く、夏場に不快」などの失敗を招くことがあります。ここでは、裏地選びで避けるべき色・柄のパターンや、耐久性・メンテナンスの観点からの選び方、オーダースーツならではのカスタマイズのコツについて解説します。
避けるべき裏地の色・柄のパターン
裏地の色や柄は、スーツの印象を大きく左右します。個性的なデザインを選びたい気持ちもありますが、場面によっては不適切になることもあるため、注意が必要です。
避けたほうがよい裏地のパターン
- 派手すぎる色(蛍光色・極端なコントラスト)
- ネイビーのスーツにネオンイエローの裏地など、極端に目立つ組み合わせはビジネスシーンでは不向き
- 柄が強すぎるデザイン(大きなロゴ・奇抜な模様)
- ブランドロゴが全面に入ったデザインや、大胆すぎるアート柄は、スーツの品格を損なう
- スーツの表地と極端に合わない色
- チャコールグレースーツにショッキングピンクの裏地など、あまりにも対照的な色は違和感が生じる
適切な裏地の選び方
- スーツの用途を考慮する
- ビジネススーツなら、ワインレッドやシルバーなど落ち着いた色が無難
- カジュアルなジャケットなら、ペイズリー柄やストライプ柄を取り入れて遊び心を加える
裏地は、スーツを脱いだときに見える部分なので、「主張しすぎないが、さりげなくおしゃれ」というバランスを意識すると、失敗が少なくなります。
耐久性やメンテナンスの観点からの選び方
裏地はスーツの内側にあるため、普段は意識しにくいですが、実は摩耗しやすい部分です。耐久性やメンテナンスのしやすさを考慮することで、スーツの寿命を延ばすことができます。
耐久性の高い裏地素材
素材 | 特徴 | 耐久性 | メンテナンスのしやすさ |
---|---|---|---|
キュプラ | 吸湿性が高く快適な着心地 | 中程度 | クリーニング推奨 |
ポリエステル | シワになりにくく丈夫 | 高い | 自宅での洗濯が可能な場合もある |
シルク | 高級感があるがデリケート | 低い | クリーニング必須 |
メンテナンスしやすい裏地の選び方
- 頻繁にスーツを着るならポリエステルが便利
- 耐久性が高く、シワになりにくいため、長時間の着用に向いている
- 高級感を重視するならキュプラ
- 見た目の上品さと快適さを両立できるが、水に弱いためクリーニングが必要
- シルクは特別な一着に
- 手入れが大変なため、日常使いには不向き
また、裏地の縫製も耐久性に影響します。雑に仕上げられた裏地はほつれやすく、長期間の使用には向いていません。オーダースーツの場合は、縫製のクオリティにも注意を払うとよいでしょう。
オーダースーツならではの裏地カスタマイズのコツ
オーダースーツの魅力のひとつは、裏地を自由に選べることです。既製品では得られない個性を演出しつつ、スーツの品格を損なわない裏地を選ぶことが重要です。
オーダースーツの裏地カスタマイズのポイント
- スーツの用途に合わせる
- ビジネス用なら落ち着いた色、カジュアル用なら遊び心のあるデザイン
- 表地との相性を考える
- 同系色なら上品、コントラストをつけるなら個性的な印象に
- 個性を出すなら柄物を活用
- ペイズリーやストライプなど、さりげなく個性を加えられるデザインを選ぶ
- ブランドスーツの裏地を参考にする
- ポールスミスのように大胆なデザインを取り入れるのもひとつの選択肢
実際のカスタマイズ例
スーツの色 | 裏地のおすすめカラー | 適したシーン |
---|---|---|
ネイビー | ワインレッド、シルバー | ビジネス・フォーマル |
チャコールグレー | ダークグリーン、ブルー | 知的で落ち着いた印象 |
ライトグレー | ネイビー、ボルドー | カジュアルなビジネススタイル |
ブラック | ゴールド、パープル | フォーマル・パーティー向け |
裏地選びは、スーツの印象を決める重要な要素のひとつです。派手すぎる色や奇抜な柄はビジネスシーンには不向きであり、耐久性やメンテナンスも考慮する必要があります。オーダースーツでは、自分のスタイルに合った裏地を自由に選べるため、TPOに合わせたカスタマイズを意識するとよいでしょう。裏地の選び方ひとつで、スーツの魅力が大きく変わります。
よくある質問〜オーダースーツの裏地編
- 裏地の色はどうやって選べばいいですか?
-
裏地の色は、スーツの用途や表地の色に合わせて選ぶのが基本です。ビジネススーツなら、ネイビー、グレー、ブラックの表地にはワインレッドやシルバーなどの落ち着いた色が相性が良いです。一方、カジュアルやオーダースーツなら、ペイズリーやストライプ柄、コントラストのある色を選ぶことで、脱いだときに個性を演出できます。裏地はスーツの見えないおしゃれとして、慎重に選ぶのがおすすめです。
- スーツの裏地は必要ですか?
-
裏地は、スーツの着心地や耐久性に大きく影響するため、基本的には必要です。裏地があることで、スーツの摩擦を軽減し、着脱をスムーズにします。また、汗や汚れを防ぎ、表地の劣化を防ぐ役割も果たします。ただし、軽さや通気性を重視する場合は、夏用の「背抜き」仕様や裏地なしのデザインを選ぶのも選択肢のひとつです。
- ビジネススーツの裏地の色は?
-
ビジネススーツの裏地は、シンプルかつ落ち着いた色が適しています。ネイビーやチャコールグレーのスーツには、シルバー、ワインレッド、ブルーなどがよく使われます。派手すぎる色や柄は避け、信頼感のある印象を重視しましょう。特に会議や商談が多い場合、シックな裏地を選ぶと、スーツを脱いだときも洗練された印象を与えられます。
- ジャケットの裏地なしのメリットは?
-
裏地なしのジャケット(アンコンジャケット)は、軽量で通気性が高く、特に夏場やカジュアルな場面で快適に着られます。また、肩パッドなどの補強がないため、自然なシルエットが生まれ、リラックス感のある着こなしができます。ビジネスシーンではややカジュアルな印象になるため、場面を選んで着用するのが良いでしょう。
- スーツの背抜きのデメリットは?
-
背抜き仕様のスーツは、通気性が良く、軽快な着心地が特徴ですが、冬場は寒さを感じやすく、防寒性が低い点がデメリットです。また、総裏のスーツと比べてシルエットが崩れやすく、耐久性もやや劣ることがあります。寒冷地や長期間の着用を考える場合は、総裏の方が適しているため、季節や用途に応じた選択が重要です。
オーダースーツの裏地は、スーツの個性や快適さを決める重要なポイントです。適切な素材や色を選び、自分らしいスタイルを完成させましょう。細部までこだわることで、ワンランク上の着こなしが叶います。
Grazie!
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