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オーダースーツの刺繍・ネーム入れは、一着を自分らしく特別にしてくれるポイントです。この記事では、位置や書体、糸色の選び方から価格や納期まで分かりやすくまとめ、失敗しないための具体例も紹介します。
オーダースーツにネーム刺繍を入れる魅力

自分だけの一着を作るオーダースーツに、名前やイニシャルを刺繍することで得られる満足感は格別です。布地やシルエットを選ぶだけでは味わえない「自分の印」を刻む体験は、着るたびに誇りを感じさせてくれます。仕立て上がったスーツの内ポケットを開いたとき、さりげなく輝くネームは持ち主のこだわりを静かに伝えます。ビジネスの現場では、細部への配慮が自信となり、相手への印象にも影響します。特別な一着を贈り物として仕立てる場合も、刺繍は贈り手の想いを形にする小さな演出になります。
ネーム刺繍が人気を集める理由
ネーム刺繍が人気を集める大きな理由は「自己表現」です。内ポケットに控えめな筆記体でイニシャルを入れると、見えないところにだけ漂う上質さが着る人の個性を引き立てます。記念日のスーツに日付を添える人も多く、結婚式や昇進祝い、成人式など人生の節目を記録する意味合いがあります。贈り物としても、特別感のある一着として相手に喜ばれるケースが多く、記憶に残るプレゼントになります。
既製スーツとオーダースーツでの違い(後入れ可否・自由度)
既製スーツにも後から刺繍を施すことは可能ですが、生地が縫製済みのため位置や文字数に制約が多く、仕上がりも選べる書体や色が限られます。専門店では内ポケット上部や見返し部分に簡単なイニシャルを追加する程度が一般的です。一方、オーダースーツでは裁断前に刺繍の位置を決められるため、胸裏やベスト裏など自由度が高く、糸色や書体も豊富に選べます。後入れに比べて仕立て段階で入れる刺繍は縫い目に無理がなく、美しさと耐久性に優れます。
ダンカンではオーダースーツの仕立て時にネーム刺繍にも対応しています。内ポケット上や見返し部分など定番の位置を中心に、糸色や書体も選べるので、ビジネス用のさりげないイニシャルから記念日のフルネームまで幅広く相談できます。特別な一着をより自分らしく仕上げたい人や、プレゼントとして贈りたい人にも人気のサービスです。
刺繍を入れる場所と意味

ネーム刺繍は位置によって見え方も意味も大きく変わります。スーツは同じ一着でも、刺繍を入れる場所が違えば印象が変わり、着る人の個性をさりげなく語ります。仕立て職人は、生地や裏地の厚み、縫製ラインを考慮しながら最適な位置を提案します。どの場所を選ぶかは、日常使いなのか記念用なのかといった着用シーンや、見せたい度合いによっても判断が分かれます。
標準位置:見返し(内ポケット上)の特徴
最も多く選ばれるのは、ジャケット内側の見返し、つまり内ポケット上の部分です。ここは裏地が二重になっており、刺繍の糸が表地に響きにくい構造です。仕事でスーツを脱いだときにちらりと見える程度で、主張しすぎない上品さがあります。イニシャルを淡いシルバーや同系色で入れる提案が定番で、控えめながらも特別感が漂います。見返しは「大人の遊び心」を演出できる王道の場所といえるでしょう。


私の友人は「昇進した日付の刺繍を入れて、会議前にそれを見て気持ちを引き締める。」と話していました。自分だけが知る小さな印が、仕事への姿勢を整えるきっかけになるそうです。記念日や大切な言葉をそっと刻むことで、日常の中で前向きになれる効果があるのかもしれません。
えり裏・ベスト・パンツなどのアレンジ位置
個性を強調したい場合やカジュアルな装いなら、えり裏やベストの背中裏も魅力的です。えり裏はジャケットを脱がなくても衿を立てたときにだけ見えるため、ちょっとしたサプライズになります。ベストの背中裏は三ピーススタイルの人に人気で、式典などでジャケットを脱いでもさりげなく個性を示せます。パンツの内側ポケット付近に小さく入れる例もあり、普段は誰にも見せない自分だけの印として楽しむ人が増えています。
後から名入れする場合の制約と注意点
既製スーツを購入後に刺繍を追加する「後入れ」も可能ですが、制約が多い点に注意が必要です。完成済みのジャケットは裏地と表地が縫い合わさっており、刺繍の際に表面へ糸が響いたり、生地が突っ張ったりするリスクがあります。位置も限られ、ほとんどの場合は内ポケット周辺か裏地の一部のみ。さらに、縫製をほどく作業が必要な場合は納期も長く、費用も上がります。職人は必ず生地の厚みや縫い目を確認し、糸の色やサイズも慎重に選びます。後から名入れを考えるなら、専門店で仕上がり例を見せてもらい、納期と料金を事前に確認することが大切です。



刺繍は場所によって「見せる」「秘める」のどちらも叶えられます。
文字表記・書体の選び方


ネーム刺繍は、どの文字でどの書体を選ぶかによって雰囲気が一変します。生地や裏地との調和、スーツを着る場面、贈る相手との関係性まで考えることで、さりげなくも印象に残る一着になります。ここでは、実際の仕立て現場で多く選ばれている文字表記や書体を例に、その特徴と選び方を紹介します。
イニシャル・フルネーム・漢字・カタカナの使い分け
最も人気があるのはイニシャルです。内ポケットに小さく「T.K.」や「R.S.」と入れると、さりげなく個人の印を感じさせます。ビジネスシーンでも上品に映え、職場でスーツを脱いだときにさりげなく見える程度なので安心です。フルネームは贈り物や記念日のスーツに向きます。和の雰囲気を大切にしたい方は漢字を選ぶこともあります。達筆な楷書で名字だけを入れると、海外の顧客との会話のきっかけになることもあります。



裏地と同系色の糸を選ぶと落ち着いた印象になります。
英字筆記体・活字体・和文書体の見え方と印象
書体はスーツ全体の雰囲気を決める重要な要素です。英字の筆記体は柔らかく流れるような印象で、クラシックな三ピースやイタリア生地と相性が良いです。反対に活字体は端正で読みやすく、モダンなスーツやシンプルなビジネススタイルに向きます。和文書体なら楷書は格調高く、行書は動きがあり温かみが出ます。書体を選ぶときは、自分の職業や着用する場面を思い浮かべると失敗がありません。
長い名前や記号(ドットなど)を入れる際のポイント
名前が長い場合や「T.K.」のようにドットを入れる場合は、文字数に応じたバランスが重要です。職人は刺繍機の設定を微調整して、糸が詰まり過ぎないようにします。長いフルネームを希望する場合は、縫い幅をやや細くして生地への負担を減らすのが一般的です。ドットを多用する場合は、糸がほつれにくい位置に配置する必要があります。長い表記を考えているなら、事前に店舗で刺繍サンプルを確認し、サイズと位置を具体的に決めておくと安心です。
糸色・サイズ・デザインの決め方


ネーム刺繍の仕上がりは、糸の色や大きさ、デザインの組み合わせによって印象が大きく変わります。生地や裏地との調和を考えながら選ぶことで、さりげない高級感や遊び心を演出できます。ここでは、職人が実際に提案する際に重視するポイントを紹介します。
生地色とのコントラストと視認性
生地とのコントラストは刺繍の見え方を左右します。濃紺の生地に淡いシルバーを合わせれば、光を受けてやわらかく浮かび上がります。反対にチャコールグレーに同系色のダークグレーを選ぶと、角度によってかすかに光る程度で控えめな印象になります。視認性を確保するなら、生地と糸の明度差を一段階以上つけるのが目安です。



私のおすすめは、濃いネイビーの生地に赤ワイン色など深みのある差し色を合わせることです。内ポケットを開けたときだけ鮮やかに映え、アクセントになります。
目立たせたい場合・控えめにしたい場合の配色例
目立たせたい場合は補色を意識すると効果的です。ブルー系生地ならオレンジ系、ブラウン系にはターコイズなど、色相が離れた組み合わせが視線を集めます。記念日やギフトではゴールドや深い赤を選ぶ方も多く、贈り相手への特別感が際立ちます。一方、ビジネス向けにはスーツの表地と近い色、例えばグレーにシルバー、ネイビーにブルーグレーなどが上品です。糸色を裏地と合わせて統一感を出し、高級感を漂わせるケースも多く見られます。
生地色 | おすすめ糸色 | 印象 |
---|---|---|
濃紺 | シルバー、グレー | 光を受けて柔らかく浮かぶ |
チャコール | ダークグレー、黒 | 控えめで落ち着いた印象 |
ネイビー | 赤ワイン、ボルドー | 内側に鮮やかなアクセント |
ブラウン系 | ターコイズ、ライトブルー | 遊び心を演出 |
ブラック礼服 | 同系の黒、濃グレー | フォーマルに自然に馴染む |
刺繍サイズの基本(高さ5〜7mm目安)
刺繍の大きさは読みやすさと生地の負担を考え、文字の高さ5〜7mmが標準です。小さすぎると糸が埋もれ、大きすぎると縫い目が粗くなりやすいため、職人は生地の厚みや文字数に合わせて微調整します。フルネームを入れる場合は5mm程度に抑え、イニシャルのみなら6〜7mmで存在感を出すのが目安です。
価格・納期・サービス比較


ネーム刺繍はスーツを特別な一着に仕上げる大切な工程ですが、料金や納期はブランドや注文方法によって大きく異なります。費用だけでなく、サービス内容や仕上がりスピードを把握しておくことで、目的に合った依頼がスムーズに進みます。ここでは実際の相場やブランド別の特徴、納期の目安をまとめます。
ネーム刺繍の料金相場(無料サービス〜数千円)
多くの国内テーラーでは、オーダースーツ購入時のネーム刺繍を無料で提供しています。銀座や大阪の老舗店では標準サービスとして生地代に含まれることが多く、追加費用は発生しません。一方、既製スーツに後から名入れをする場合は別料金となり、1,000円から3,000円ほどが一般的です。特別な糸色や立体的な縫い方を指定すると、5,000円近くまで上がる例もあります。



納品後の後入れ依頼に対応しない店舗もあるため、購入前に確認しておきましょう。
オーダーから受け取りまでの平均納期
オーダースーツの仕上がりは通常3〜5週間が目安です。採寸から裁断までの工程で刺繍位置を決定するため、刺繍を加えても基本的な納期は変わりません。既製スーツに後入れする場合は、店舗での加工時間が2〜7日程度追加されます。記念日や式典に合わせるなら、少なくとも2週間以上の余裕を持つ計画が安心です。
シーン別おすすめ設定


ネーム刺繍は同じ一着でも、着る場面に合わせて糸色や文字表記を変えることで印象が大きく変わります。ビジネス、記念日、結婚式などシーンごとの選び方を理解すれば、さりげないこだわりを演出できます。ここでは実際の注文例を交えながら、場面別の最適な組み合わせを紹介します。
ビジネス用途
仕事用のスーツには、落ち着いた糸色とイニシャルが最も好まれます。濃紺のスーツにグレーやネイビーの同系色を合わせれば、内ポケットを開いたときにわずかに光る程度で品格を保てます。ビジネスシーンでは、読みやすさよりも“見えすぎない上質さ”が重要で、文字サイズは5〜6mm程度が安心です。
記念日やプレゼント
贈り物や記念日のスーツでは、思い切ってフルネームやメッセージを入れると記憶に残ります。結婚10周年に合わせて「Masato & Yumi 10th Anniversary」と金糸で入れた依頼では、裏地のワインレッドと相まって華やかさが際立ちました。父の日に「For Dad 2025」と刻むなど、短い言葉で気持ちを表現する例も人気です。
結婚式・式典
結婚式や公式式典では、装い全体の格式を壊さない控えめな位置と色が求められます。見返しの内ポケット上部やベスト裏など、人前ではほとんど見えない場所がおすすめです。白やシルバー、淡いシャンパンゴールドなどの糸は、光の加減で柔らかく映え、礼服にも自然になじみます。
注文前に確認したいポイント


ネーム刺繍は一度縫い込むと修正が難しいため、注文前のチェックが仕上がりを左右します。細部まで確認しておけば、受け取った瞬間に「思っていたものと違う」という後悔を防げます。ここでは専門店で実際に起きたトラブル例をもとに、注意すべき項目を整理しました。
スペルや大文字小文字の最終チェック
もっとも多い失敗はスペルミスです。英字の場合、たった一文字違うだけで雰囲気が大きく変わります。私が接客したお客様は、奥様へのプレゼントに「Happy 10th」と刺繍する予定が、最終確認を怠ったために「Hapy」と縫われてしまいました。修正には裏地を外して縫い直す必要があり、納期が一週間延びたことがあります。大文字小文字も印象を左右するため、「T.K.」なのか「T.k.」なのかを事前に明確にしましょう。可能であれば店舗で刺繍サンプルを見ながら、注文書に正確な綴りを手書きで残すのが安全です。
クリーニングやメンテナンスで気をつけること
刺繍は糸が細く繊細です。ドライクリーニングに出す際は、刺繍部分に当て布をしてもらうなど、店舗に必ず伝えることが大切です。長年着用したスーツでは、クリーニングの熱や溶剤で糸がわずかに退色することがあります。家庭でのアイロン掛けも、刺繍面に直接高温を当てないよう注意してください。
ネット注文・店舗注文それぞれの注意事項
オンラインでの注文は手軽ですが、刺繍位置や糸色を画面だけで判断するのは難しいものです。写真では微妙な色差が伝わりにくく、完成後に「思ったより明るい」と感じることもあります。可能なら無料サンプルを取り寄せ、生地と並べて確認しましょう。店舗での注文は職人と直接相談でき、仕上がりイメージをその場で微調整できる利点があります。ただし、混雑時期は採寸から完成まで1か月以上かかる場合もあるため、着用日から逆算して予約を入れることが重要です。
店舗での伝え方と相談テンプレート


ネーム刺繍は職人との打ち合わせが仕上がりを左右します。糸色や書体のイメージを具体的に伝え、ブランドごとの規定を事前に確認しておけば、受け取り後に「思っていたのと違う」という後悔を避けられます。ここでは専門家が実際に提案する伝え方のコツと、確認しておきたい質問例を紹介します。
希望位置・書体・糸色を的確に伝えるコツ
まず、仕上がりのイメージを口頭だけでなく視覚的に示すことが重要です。以下のポイントを押さえると伝わりやすくなります。
- サンプル提示:スマートフォンで参考写真を用意する、または店舗の刺繍見本帳を指しながら色を指定する。
- 具体的表現:「ネイビーの裏地に映える明るめのシルバーで」「文字サイズは6ミリ前後で控えめに」など、数字や比較対象を添える。
- 着用場面の共有:ビジネス用か記念日用かを伝えることで、職人が適切な提案をしやすくなる。
ブランドごとのポリシーを確認する質問例
ブランドや店舗によっては、刺繍位置や文字数に独自のルールがあります。注文時には以下の質問を参考にしてください。
- 「文字数の上限や位置に制限はありますか」
- 「特殊な糸色や金糸を選ぶ場合、追加料金はどのくらいですか」
- 「納期は通常より延びますか」
- 「クリーニング時に注意が必要な生地や糸はありますか」
- 「既製スーツへの後入れは可能ですか」
これらを事前に確認しておくと、追加費用や納期遅れを避けられます。特にインポート生地や高級ブランドは、標準外の刺繍に対応しないこともあるため注意が必要です。
よくある質問


- スーツの名前刺繍はどこに入れる?
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一般的にはジャケット内側の見返し、つまり内ポケット上が最も選ばれます。裏地が二重で糸が表に響きにくく、着用時にはほとんど見えないため、上品さと実用性を兼ねています。ベスト裏やえり裏などのアレンジ位置もありますが、まずは見返し部分が王道です。
- スーツに名入れするのはなぜ?
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自分だけの一着であることを示し、長く愛着を持って着られるからです。イニシャルや記念日を入れることで特別な意味を持たせ、贈り物としても気持ちを伝えられます。ビジネスでは細部にこだわる姿勢として好印象を与え、特別な日の思い出を形に残す役割もあります。
- スーツのネームはどこに入れるべき?
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フォーマルさを保ちたいなら、内ポケット上部や胸裏が最適です。開いたときにさりげなく見える程度で、普段は隠れているため職場や式典でも違和感がありません。遊び心を出したい場合はえり裏やベスト裏も人気ですが、シーンに合わせて控えめな位置を選ぶと安心です。
- 礼服に名前を入れたいのですが、どうすればいいですか?
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礼服は厳格な場で着用するため、目立たない位置と糸色が基本です。黒や濃紺の生地に同系色の黒糸や濃グレーを選び、内ポケット上に小さく入れるのが一般的です。依頼時には「フォーマル用」と伝え、光沢のない糸を指定すると式典でも違和感がありません。
- ネーム刺繍は左右どちらにつけるのですか?
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伝統的には左側の内ポケット上が主流です。左胸は心臓に近く「自分の証を刻む場所」とされ、欧州のテーラー文化でも同じ考え方が残っています。右側を選ぶ人もいますが、礼服やビジネス用途なら左側を選ぶと無難で、仕立て職人にも伝わりやすいです。
- スーツの紋章はどこに付けますか?
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家紋やクラブエンブレムを付ける場合は、胸ポケット上やブレザーの胸元が一般的です。クラブジャケットでは左胸にワッペン状で縫い付け、礼装の家紋は背中の中央や両胸に染め抜くのが正式です。用途により位置や加工方法が異なるため、目的を明確にして職人に相談してください。
オーダースーツの刺繍・ネーム入れは、スーツを自分らしく仕上げる小さなポイントです。糸色や位置の選び方を押さえて職人としっかり話せば、長く着たい一着をより特別なものにできます。自分用はもちろん、贈り物としても喜ばれるので、次のスーツ作りの参考にしてみてください。
Grazie!
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